高原キャベツ・ロード

国道 1093号線は「高原キャベツ・ロード」と呼ばれている。 かどうかは分からない。 私が勝手につけたからである。 群馬県嬬恋村みたいなところだ。 1093号線はチェンカムからバン・パタンまで約90kmの距離で、タイとラオの国境線にほぼ並行している。 いちばん近いところでは国道から国境線まで 数百メートルしか離れていない。 全長90kmのうち、65kmくらいは標高1300m以上のところを走っている。 バン・パタンに向かって右手はプチ ファを含む峰にむかってのぼりの急斜面、左手はタイ側の谷に下る急斜面である。 その斜面ではあちこちでキャベツの栽培が行われ、通年通して出荷されてい るが、この寒い時期が最も出荷が盛んだ。

それにしても石垣でも積むようにきれいに積んで行く。 これが人間だったら下半分は圧死しているね。 秤で重さを量り車に積み込んでいるのは仲買のおじさんで、それを見守るのは生産者の山岳民族の人。 新鮮でおいしそうなキャベツを目の前にして
「キャベツを2,3個分けてくれますか。」
「いいだとも。 金は要らないから何個でも持っていくがええだ。」
「えっ、ほんと。」
「んだども、おれだづはこのキャベツは絶対食わねえだ。 こんな薬漬けぇ食ったらおっ死んでしまうでなも。 おらだづの村では宴会の罰ゲームで負けたやづにこれ食わせるだ。」
という会話を交わして、手ぶらでそこを離れた。
<2008年大晦日:プチファとバン・パタンの中間あたりで>


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